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作られては忘れられていくコードや日常のための日記

「Primitive Technology」なセメントやコンクリートの作り方について

youtubeで世界的なチャンネル「Primitive Technology」というものがある。

これはオーストラリア在住?のエンジニアが原始的で道具が存在しない状態から、現代の知識のみで様々なものや道具を作っている動画だ。

初めて友達に紹介されて見た動画は下記だったと思う。

www.youtube.com

最初は面白さに懐疑的だったけど最後まで見て衝撃を受けた。
だって、こんなに時間をかけて作ったの「斧」かよ!

たしかに現代に生きる我々は道具を使う前提で考えるけど、そもそも「道具を作る」から始めないと何もできないのか…なるほどと思った。

昔「ザ!鉄腕!DASH!!」でTOKIOがラーメンを作るのに土(畑)から作ってて盛り上がったことがあったけど、アレもすごいがしかしこの動画は文明に頼ってなくてやばい。

そしてエンジニアとしてはマネして同じことやってみたい!

原始的なセメントの動画

たくさんある動画の中で一番興味を引いたのは下記のセメントを作る動画だった。
※一般的には鉄を作る動画のほうが人気あるはず。

www.youtube.com

セメント作るのってそんな簡単なん?って感じ。
木を焼いて水に入れて土や焼き物を砕いたのと混ぜて終わりかよ!みたいな

セメントを利用するコンクリートには、コンクリートジャングルとかいう名詞があって近代建築の象徴みたいな印象があったのに、セメントやコンクリートに対する印象はかなり変わった。

調べる

ぱっと見た感じだと幅広い知識が必要そうで何から調べればよいかわかず、
自分で試すのは諦めていたけどこの本が活路を開いてくれた。

すごいわかりやすいし自分が知りたかったこと以上のことが書かれてて興奮した。
一応この本を読めばヒャッハーな世界でも生き延びられる…はず。

コンクリートの歴史とか

ググればたくさん情報は出てきますね。

紀元については諸説あるけど、文明として最初に普及たのは「ローマン・コンクリート」なはず。そしてコンクリートを手に入れたその文明は、枠を作って流し込めば自由な造形ができるその物質を使って様々な建築物や構造体を作ることが可能になった。

今までは西洋の建築につきて「格好良いな」みたいな雑な印象で違いとか分かってなかったけど、最初にコンクリート技術を手に入れたローマ帝国が、その性質を使用し丸みを帯びたイカス建築を作った文明という印象に変わった。

逆にそれ以前に繁栄した文明ではコンクリートは使用されていないことになる。

ぱっと思いついたのはエジプトとギリシアだけど、調べてみると予想道理で石を切り出して整形したものを積み上げたりして建造物を作ってるぽく、直線的な建築や構造物が多いらしい。

確かにスフィンクスって子供のころからガタガタ印象あったし、パルテノン神殿もよく見ると丸くない…なるほどそういう理由かぁ。

ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org

一方のローマ帝国で有名な建築であるパンテオンコロッセオは丸みを帯びた形になっている。

ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org

しかし、ローマ帝国ギリシア建築の影響を受けりその歴史も長いので必ずしも丸い構造物が多いわけではないと思う。 建築士とか専門家にココらへん聞くと面白い話が聞けそうですね。

長くなりそうだし専門家でもないので割愛。

コンクリートとセメントについて

上の文章でセメントとコンクリートについて混ぜて書いてるが違いは下記です。
間違ってない…はず。

セメント + 水 + 砂 + 砂利 => コンクリート ※現代では用途に合わせて + 混和剤ぽい?
セメント + 水 + 砂 => モルタル

セメントは水を加えると固くなる材料で、砂利や砂で強度を加える。
現代では用途に合わせて耐塩性や即効性(すぐ固くしたい)みたいな要望があって混和剤と呼ばれる他のものも混ぜたり…みたいな話ぽい。

セメント単体で使用することは少ないので一般的にはコンクリートのほうが名前をよく聞く…はずですね?

セメントの前に石灰モルタルの話

セメントを作るためには石灰モルタルについて知るとよいぽい。

石灰モルタル水を加えると硬化する物質らしい。
これは消石灰(水酸化カルシウム)と砂を混ぜたもので構成される。

で実際に水酸化カルシウムはどうやって作るかの話をすると、関連下物質に酸化カルシウムと炭酸カルシウムがあり、これらには非常にシンプルで面白い関係があるので、この説明をするほうが早い。
wikipediaの情報を元に書いてみる。

             加熱
炭酸カルシウム --> 酸化カルシウム
CaCO₃ -> CaO + CO₂

酸化カルシウム + 水 --> 水酸化カルシウム
CaO +  H₂O -> Ca(OH)₂

水酸化カルシウム + 二酸化炭素 --> 炭酸カルシウム
Ca(OH)₂ + CO₂ -> CaCO₃ + H₂O

つまり下記のような関係ぽい。

     熱(825℃以上)     水
       ↓          ↓
炭酸カルシウム-->酸化カルシウム --> 水酸化カルシウム
  ↑ <---------------<---------------↓
      放置(空気と反応 + 水は蒸発) 

科学的な名前だと格好良い響きで気負いしてしまうが現実の物質に変えると下記になる。

      熱(825℃以上)  水
         ↓     ↓ 
貝殻や石灰石や石灰-->生石灰-->消石灰(水酸化カルシウム)
  ↑ <---------------<---------------↓
      放置(空気と反応 + 水は蒸発) 

貝殻を焼いて水を混ぜたものが消石灰で、 これを水と混ぜると消石灰になる。なるほど?

水と消石灰の混合物は放置していると、不溶性の炭酸カルシウムに戻ってしまうので、硬化させるのにはその性質を利用したいるぽい。

更にこのカルシウム酸化物?の変化を利用したものが、西洋における「漆喰」と呼ばれるものらしい。 ja.wikipedia.org

wikipediaの情報によると日本の漆喰は西洋の構成物が違うが、水酸化カルシウムが炭酸カルシウムに変化して硬化することを利用しているのは同じぽい。

セメントについて

ここまでくればセメントの作成は容易になる。

あとは石灰モルタルに火山灰か砕いた焼き物を加えると原始的なセメントになるらしい。

え?あ、うん?つまり水酸化カルシウムがすごいってこと?

しかしセメントと石灰モルタルは、固まり方のプロセスが違うらしい。

この原始的なセメントは火山灰に含まれるケイ素やアルミニウムが反応して珪酸カルシウム水和物を作成することで硬化しているらしい。

酸化カルシウム + ケイ素やアルミニウム + 水
 --> 珪酸カルシウム水和物 + 水酸化カルシウム

関連して調べたことから推察すると、ローマン・コンクリートの作り方が分からないみたいという話は、この火山灰に含まれるケイ素やアルミニウムやその他の微妙な物質などの組成がわからないだけで、固まる仕組みの大部分は現代で一般的なポルトランドセメントと同じ…なはず。

そしてこれらの材料が混ぜることで水和物に変化するプロセスが気になった。

このプロセスについて調べると一般的なポルトランドセメントの説明がシンプルで非常に理解しやすかった。

現代で一般的なポルトランドセメントでは、火山灰という品質や集積に難がありそうな物質などは使っていない。

現代ではクリンカーと呼ばれるものを砕き石膏を混ぜてセメントを作成するのが一般的だ。

逆に言えばクリンカーと石膏を構成する要素が、石灰モルタル+(火山灰や砕いた焼き物)には含まれているということだと思う。

クリンカーの作り方はおいておくとして、下記のようなものらしい。

クリンカーを構成する主要物質に、

エーライト (C3S)
ビーライト (C2S)
アルミネート (C3A)
フェライト (C4AF)

がある。Cは CaO、Sは SiO2、Aは Al2O3、Fは Fe2O3 を示している。
クリンカー - Wikipedia

この中で、エーライト (C₃S)とビーライト (C₂S) を水に混ぜたときの反応がシンプルでわかりやすい。

C₃S + H₂O
      → xCaO・ySiO₂・zH₂O* + Ca(OH)₂
C₂S + H₂O    (C-S-H) →     (水酸化カルシウム)

*x/y = 1.2 ~ 2.0, y/z ≒ 1.5
※Cは CaO、Sは SiO₂

「小林 一輔, 武若 耕司 (1976). 最新コンクリート工学(第6版),19p」の資料を元に作成(矢印書くのが難しい)

この(C-S-H)が珪酸カルシウム水和物と呼ばれるもので不溶性ぽい。

つまり、酸化カルシウムと二酸化ケイ素と水が、珪酸カルシウム水和物と水酸化カルシウムを生成している。

本当はアルミネート (C3A)とフェライト (C4AF)と石膏についても説明が必要だが、書くのが面倒だしその都度本を読めば良いですね。

最新コンクリート工学(第6版)

最新コンクリート工学(第6版)

調べたらこのサイトに載ってたのでこれを見るのが良さそう。

http://www.japan-flyash.com/fchemiphysi.html

ポゾラン反応については説明が長くなるので省略する…こっちも重要ですが……

そうすると原始的なセメントにおいて砕いた焼き物をまぜるのは、二酸化ケイ素(SiO₂)や酸化アルミニウムや酸化鉄が含まれているからだろう。

うーんしかし砂で良いのでは?

なるほど?粘土を焼くことで酸化物を生成するプロセスになっているのか? だとするとやっぱり砂を焼けば…粘土を焼くのと変わり無いのかな?

しかしこれでセメントの作成の仕方と、なぜ固まるのかについてたぶん理解できた!

まあ、専門分野じゃないんで根本的な理解間違ってる可能性あるけど!

改めて動画を見る

www.youtube.com

最初の酸化カルシウムの取得が…え?……なにやってるんだよ…

下記のページが正確化はわかりませんが、イネ科の植物でなければ木灰の主成分は酸化カルシウムと二酸化ケイ素のなので合理的ぽいです。

http://nessho.o.oo7.jp/sosei.html

そして捨てている炭酸カリウムですが、一応石鹸とか作るのに使えたりするはずでうーん(実際に集めるのは面倒ですが)。。。
ペレットにしている再度燃やす工程は、水溶性の不純物を取り除くのと一部の炭酸カルシウムを水酸化カルシウムにするための処理のはずです。

しかし、最初の燃焼で炭酸カルシウムが生成される理由はわからない。。。

最後は生成したセメントを単体で固めてますね。

すげぇ!わかる!分かるぞ!わかってるはずだたぶん!

感想

いったんまとめないと忘れそうなので書いたけど派生して知った情報はこれより多く、更に詳しい分野がありそう。

全くの専門外で間違ってること多い気が。
ただ知らない分野を知るのは楽しかった感。

てか本屋で良さそうだから買ったんですが「最新コンクリート工学(第6版)」の1976年出版ってロングセラー感すごい。

あと調べたとき読んだセメントについて解説している記事とかでは、材料自体の作成から珪酸カルシウム水和物を生成して固まるまでの一連の流れが書かれている記事見つからなくて苦労しました。

その情報載せて誰が喜ぶんだ感あるし……そうか…

これで自分でコンクリート作れるようになったはず…なのでそのうち作ります。
自作コンクリートでピザ窯作りたいなぁ。